昨年11月2日に私共NPO法人が登録している孤独・孤立対策官民連携PFのシンポジウムが開かれ、メンバーが参加しました。その際に各団体より挙げられた質問に後日内閣官房 孤独・孤立対策担当が回答したものに以下の質問と回答がありました。
Q:孤立対策はわかりますが、なぜ孤独対策にまで言 及しているのか?
A:一般に「孤独」は主観的概念であり、「孤立」は客観的概念であるといわれていますが、当事者や家族等の状況は多岐にわたり、孤独・ 孤立の感じ方・とらえ方も人によって多様であることから、孤独・孤立対策は双方を一体的としてとらえ、「望まない孤独」と「孤立」を 対象として取組むことが必要とされています。
周知のとおり、「孤立」に対する対策は政府を始め各自治体により福祉や教育の立場から対策を進めています。これらは、目に見えてわかりやす事もそうですが、すぐさま命にかかわる問題であることから「官」が主体となって行われている印象です。
翻って「孤独」は上記のとおり「主観的」なものであるため、客観的に認知されることが困難であり対策を打つことが難しいと考えられます。
私共NPO法人SKYでは、団体の目的として「孤独」を取り扱い「メンタルヘルス不調」を未然に防ぐことを挙げています。このように「主観」や「内面」的な要素が強いものに対する対策として、地道に継続的に行っていく必要があると考えます。
今後もSKYでは、カウンセリングやセルフヘルプの手法を普及すべく、地道に継続的に活動を行っていきたいと思いました。
私たちSKYでは、年末年始における「孤独・孤立相談ダイヤル」の二次的なつなぎ先としての活動を今年も実施いたします。
5月の強化月間と共に今後も毎年行われると思いますので、NPO法人として少しでも「孤独・孤立」への対策としてお役に立てる場面があるなら、参加していきたいと考えています。
年末年始は孤独・孤立が起こりやすくなっています。皆様の周りで気になる方がいらっしゃる場合には、是非こちらの活動をお伝えいただければ幸いです。大きくは変えることができないかもしれませんが、少しずつ変えていければいいなぁと思います。
あなたのための相談場所があります | あなたはひとりじゃない (notalone-cas.go.jp)
私どもNPO法人SKYでは、設立当初より孤独・孤立支援を中心に生きづらさを感じる方々、心理に興味をお持ちの方等を対象に活動を行ってまいりました。
現在、コロナ禍やIT関連情報等の急速な発展などによりコミュニケーションの形態が今までになく大きく変化していっています。職場でも在宅ワークが取り入れられることによって、現場で気軽に情報交換をする機会も少なくなり、地域生活にあってもお互いのプライベートに触れることに躊躇する場面が多くなってきています。
社会が変化する中で、今までのコミュニケーションがうまく通用しない、どうやってつながりをもてばいいのかとまどってしまう・・・
そんな悩みは全世代に共通の事だと思えますが、中でも30~50代男性の孤独・孤立リスクはNO.1との調査結果もあります。
私どもNPO法人SKYでは、「地域における孤独・孤立対策に関する取り組みモデル調査(内閣官房)」採択事業者として、30~50代の男性に対しての孤立・孤独予防を目指したセミナーをこの度開催する運びとなりました。
この事業で取り組む内容は、「セカンドキャリア」「コミュニケーション術」「男の料理教室」「次のステップのために自身を見つめてみる」等として、週1回のペースで『男のセカンドキャリア塾』を約半年にわたり開催して参ります。セミナーにご参加いただき、今一度ご自身を振り返りセカンドキャリアを考える機会として、仲間づくりの場としていただけると嬉しいです。
SKY設立の目的にもなっている「孤独への取り組み」に関連し、内閣官房が行っている「孤独・孤立対策官民連連携プラットフォーム」の会員に登録しました。
私たちが当初から考えていた「孤独・孤立」の問題に対して、国家として取り組む事業の一員としても活動の領域を広めていきたいと考えています。
具体的な活動としては相談業務となると考えておりますが、積極的に会議などに参加してNPOとしての役割を果たしていこうと思います。
先日、大阪市社会福祉協議会にボランティア保険を申し込みに行きました!
というのも、先日から企画していた
「ボランティアさん向け
ボランティア・カウンセリング」
を始動するからです!
皆さんの中にも、ボランティアに携わっている方はいらっしゃると思います。
SKYでは、設立理念にもあるように
「支えるヒトを支える」事業
を行っております。
この「ボランティアさん向け カウンセリング」は、ボランティア団体に所属している方なら、どなたでも無料で受けることができます。
ボランティア活動で起こる「モヤモヤしたこと」や団体内での「人間関係の悩み」或いは、「ご自身のメンタルヘルスに関する事」でもOKです!
また、ボランティア団体内での「コミュニケーション活性化」を推進するための「コミュニケーションセミナー」も無料で行います。
皆さんの周りの方でボランティア活動をしている方へも、是非お知らせくださいね!
お申し込みはこちら
昨年設立した我らがSKYも1歳のバースデーを迎えました。
お約束通りに、市役所への届け出も完了いたしました。
今年度は新型コロナウィルス感染症拡大防止のため活動が制限されておりますが、それでも試行錯誤しながらできることをやっていきたいと考えております。
今年度もSKYをよろしくお願いいたします!
NPO法人SKYも設立から1年が経とうとしています。
皆様方には様々なご協力、ご指導を頂きながらなんとか2年目を迎えられます。いつもありがとうございます。
NPO法人SKYでは5月16日に正会員による第1回通常総会を執り行う予定で、会員の皆様にはすでにご連絡を差し上げております。
今般の新型コロナウィルス感染症拡大防止の観点から、総会は行われるものの会場にお越しになれない方へは、ZOOM会議システムを利用した参加も可能となっておりますので、お申し出ください。
今年度もSKYでは広く市民の皆様のメンタルヘルス不調防止を目指し活動をしていく所存でございますので、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
何年も前から興味があった講座に参加しました。その講座とは、「セロトニン研究の第一人者」といわれる有田秀穂先生が運営しているセロトニンDojoで行われる短期集中認定講座「セロトニンとオキシトシン」です。
(写真は、セロトニンDooj様のFBよりお借りしています。)
この講座では、うつ病をはじめ依存症やパニック障害などの原因を脳科学的なアプローチから、特に脳内物質の視点から学んでいくという内容です。私は特に「オキシトシン」について興味があり、この講座を受講しました。
今回、皆さんに学んだことを少しだけお伝えしたいと思います。
【ストレスについて】
よく言われるストレスホルモン「コルチゾール」は脳の視床下部→下垂体→副腎軸を経由し分泌され、身体的なストレス反応を引き起こします。特に高血圧や糖尿病の原因とされ、ストレスチェック等ではこちらの問診を行います。
脳内環境を変えてしまうほどの厄介な脳内物質は、ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンなどのホルモン物質で、脳の進化的に一番古い「脳幹」から分泌されます。つまり、人間が生きていくうえでは必要でありつつも過剰な働きをすることで「精神的ストレス」となってしまうということです。
簡単にまとめると、脳内物質の中の「ドーパミン」によって意欲ややる気が出てくるものの過剰に分泌されると「依存症」や「燃え尽き症候群」となってしまう。また、同じく「ノルアドレナリン」によって、生命の危機を回避する集中力や運動の準備(動物的本能「闘争か逃走か」)ができるものの過剰に分泌されると「パニック障害」や「強迫性障害」を引き起こします。
それらの分泌をコントロールできるのが、話題の「セロトニン」という物質です。
なお、うつ病患者への治療薬として、セロトニンを増やすためSSRIが有効とされていますが、脳とは一度作られたパターンをなかなか戻すことはできない性質から、一過性のSSRI投与では、長年のセロトニン分泌パターンや脳内環境を変化させることがなかなかできないので、「なかなか治らない」或いは「再発する」うつ病が存在するということでした。
これらの解決策として、有田先生が提言している方法は、是非ご自身で彼の著書をご覧くださいね。
このように「ストレス」ひとつを取り上げても、様々な捉え方、対処法があることがわかります。私たちSKYでも、心理学以外の様々な観点から広い視野で捉える訓練を日々研鑽しております。
開催を楽しみにしていましたが、新型コロナウィルス拡大防止の観点から、このワークショップは来年に延期となりました。(2020.5.1更新)
皆様、明けましておめでとうございます。
今年もSKYをよろしくお願いいたします。
さて、お待たせいたしました!
今年もやります!諸富先生のセミナーが大阪にやってきます!
今年は、「インターラクティブフォーカシングでほんものの傾聴を学ぶ!」で、2日間にわたり諸富先生が講師をされます。
一度参加するとやみつきになるという「諸富ワールド!」
初めて参加される方はもちろん、何度も参加されている方も、また新しい自分に出会える体験ができることと思います。
詳細、お申込みは「こくちーず」をご覧ください。
12月のカウンセラー勉強会では、「読書療法を通して」という副題がつけられています。
今回は、読書療法について、書いてみようと思います。
日本読書療法学会の会長、寺田真理子氏によれば、定義はいくつかあるものの、「大まかに捉えるならば、読書によって問題が解決されたり、何らかの癒しが得られるということ」だそうです。
読書療法とは、日本であまり馴染みがありませんが、古くはアリストテレスの時代から、「癒し」「医療」「読書」とは関連があるようです。現代では、特にイギリスでの活用が多く見られるようで、読書療法の実践ガイドブックも存在します。
日本でよく行われている「読書会」では、一冊読んでから参加するものが多いですが、それだと参加へのハードルがあがってしまいます。ここで行う読書会は、以下の点が違います。
・主催者があらかじめ用意した数ページの文学作品を当日渡される。
・主催者(ファシリテーター)が最初その数ページを皆に読み聞かせる。
・その内容について「あなたはどう思う?」などと皆が意見を述べていく。
ここで重要なのが、
① 作品の正しい解釈を考え、皆で統一することではない。
② 読書療法は双方向(ファシリテーター&参加者)で行われ、皆が内容について自由に意見を述べられて、それを否定されることはない。
ということです。
また、読書療法は、カウンセリングとも関係があり、
「フロイトの自由連想に読書を置き換えることができる」
「フロイトのいう感情転移は、読書の場合は治療者にたいするよりももっとたやすく行われる」
「読書をさせることはロジャースのいう非指示的技法にもあたる」
と言っています。
実際、カウンセリングの中で啓発本とは別にSSTにあたる「モデリング」の機能を果たすこともあったり、感情の処理に充てられることもありました。
今回の勉強会で、何故「読書療法を通して」カウンセラーの哲学を語り合うかというと、以下の読書療法の目標と合致するからです。
1. 対応能力の改善・・・特に「感情の認知と理解」
2. 自己理解の向上・・・特に「意思表明による自己肯定」
3. 対人関係の明確化・・・特に「万人共通のものとしての感情の認識」
4. 現実見当職の拡大・・・特に「具体的なイメージや情報への一貫した関連づけ」
自由に発想し語り合うことは、日常生活ではなかなかできない体験です。いつも周囲の反応や自分の立場を考慮した発言になりがちですが、今回の勉強会では全て取っ払って、自分なりの「生き方」「死について」語り合ってみてはいかがでしょうか?
読書療法について詳しくは、「日本読書療法学会」HPをご覧ください。
2019年12月24日(火)午後7時~、いつものカウンセラー勉強会を行います。
テーマは「死について語る」
本テーマは、カウンセラーとしての哲学を固めておこうって趣旨ですが、やはりテクニック的なことも必要かと事前にちょっと勉強しました♪
松本俊彦著の「もしも『死にたい』といわれたら 自殺リスクの評価と対応」を読みましたが、精神科医の立場としてどのような対応をしたら良いか?という提言をしています。
様々な研究結果から裏付けられたテクニックや考え方にも目を見張りましたが、私としては、著者の思いの入った以下の言葉がとても気にかかりました。
・「死にたい」とだれかに告げることは「死にたいくらいつらい」ということでもり、もしも、このつらさを少しでもやわらげることができるならば「本当は生きたい」という意味なのである。
・精神保健の領域に携わっている者は、まず先入観を抱かずに目の前にいる人の声に耳を傾けるように、そして、その人の心の痛みはどこから生じているのかを探っていくこと、これがすべての第一歩だと教えられた。精神医学や心理学は統計学だけで答えが出るものではない。ある人が背負っている人生全てが相手だ。
これらは、精神科医もさながら、フロントにある私たちカウンセラーにも当てはまることだと感じました。
来月の勉強会では、さらに思考の枠が広がるといいな。
第8回ペットとの共生推進協議会シンポジウム
ペットとの”真の共生”を目指して
~ヒトと動物の福祉を推進する~
テーマ「ヒトとイヌの関係とその効果」
に参加してきました!
私たちSKYの基本理念として、
「孤独や孤立を感じることからのメンタルヘルス不調を未然に防ぐ」
というものがありますが、本講座はまさにそれが課題とも思える内容でした。
基調講演の菊水先生によれば、「イヌはヒトの家族になり得る。」との事。さらに、「孤独」は死亡の原因のひとつと考えられ、イギリスでは「孤独担当大臣」まで設定されているようです。
また、イヌと目が合うことにより、ヒト及びイヌの脳内から放出される幸せホルモン(オキシトシン)が有意に増加するという研究内容にも言及されました。
その他、アレルギー疾患の減少やWell-being(心の情動)の安定に繋がることで、動物との共生がヒトの健康にも関与しているということが、科学的に証明されているようです。
(その他の効果も多数報告されています。)
後半のパネルディスカッションでは、病院内(小児病棟)でのCAPP活動(アニマルセラピー)や長寿社会におけるフレイル(健康と障害の間)防止の為の地域包括ケアモデルとしての動物の活用などが紹介されました。
「孤独感」というものは、ヒト同士だけではなく動物との共生により回避できるものです。
私たちSKYでは、「孤独から生じるメンタルヘルス不調の未然防止」の為の「相談事業」「研修事業(「ヒトを支えるヒト」を支える)」「啓蒙活動」を今後も継続的に行って行きたいと考えております。